kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第695回 2023.2/10

古文研究法92-2 徒然草12段より:互ひに言はむほどのことをば、げにと聞く甲斐あるものから、いささか違(たが)ふ所もあらむ人こそ「我はさやは思ふ」など争ひ憎み「さるからさぞ」ともうち語らはば、徒然慰まめと思へど、げには少しかこつかたも、我と等しからざらむ人は、おほかたのよしなしごと言はむほどこそあらめまめやかの心の友には遥かに隔たる所のありぬべきぞ侘しきや。

互いに話すことは「なるほど」と聞く値打ちがあるのに、少しばかり意見が異なるような相手に対して「私がどうしてそんなふうに思うものかね、思いませんよ」などと反論し「こうだからこうなんだよ」などとあけすけに話し合ったならば所在なさが慰められようと思うのだが、実際には少し愚痴をこぼすような方面のことさえ自分とは違う意見の相手の場合、通り一片のしょうもない話をしている間はまだよいけれど真に心の通じ合った友人に比べればはるかに及ばぬ点があるに違いない、これはやりきれないね。

N君:「そりの合わない友人と話を合わせるのは大変だね」という話です。いかにtechnologyが発展しようとも人間関係の問題は昔も今も一緒、ということが分かります。「げに」は「なるほどそうだ」の意。「ものから」は以前も出ましたが逆接の接続助詞です。江戸時代以降に順接の意味も出てきた、ということを学習しました。この逆接順接問題については第674回~第677回において検討しました。「やは」は反語なので気を付けて訳します。「かこつ」は第508回の西行の歌「かこち顔なる我が涙かな」にも出てきた通り「文句を言う」「愚痴をこぼす」という意味です。「こそあらめ、」のように係り結びがそこで終わらずに文が続いていくときは「逆接」なので「~なのに」「~だけれど」と訳します。形容動詞「まめやかなり」は「本格的だ」の意味。マメ、というと現代では「細かいことを忘れずにちゃんとやる」みたいな意味ですが、昔のマメはもっと誠実な意味だったんですね。「ぬべし」は完了と推量の助動詞が重なって「確述」つまり「~に違いない」のような意味を表す強い言い方です。「つべし」も同じです。古文難民だった僕も最近少しずつ古文に慣れてきたように思います。

Suppose there is a respectable friend whose talk is worth hearing but is slightly different from your opinion.  If you could frankly take issue with what he said, saying, "Why on earth should I think so ?" and "This is because that !" ,  the free conversation may comfort you.  But the real thing is another.  Suppose there is a man who has a different thought from yours about a major issue you think critically.  No problems will happen between you and him if you talk about trivial things in a perfunctory manner.  But he must be very hard to handle in comparison with a desirable friend who has a close rapport with you, which will be unbearable to you.

S先生:まずまずの出来で構成は良い。言い回しの上でちょっと気になる所があるので指摘しておきます。第2文後半の This is because that.「こうだからこうなんだよ」は気持ちは分かりますが、This is for such and such reason. と言ったほうが伝わるでしょう。同様に第3文 But the real thing is another.「でも事実は違う」も、But such is not the case. のほうが伝わると思います。ここで使われた case は「場合」「事例」ではなくて「真相」という意味なので注意が必要です。研究社の辞書から用例を挙げておきます。Such being the case, I can't go.「こういう事情だから行けないんだ」。第5文後半には perfunctory「おざなりの、うわべの、緊張感のない」という高尚な形容詞が出ましたが、ちょっと筆者の言いたニュアンスとは違っているような気がします。in a perfunctory manner を even in a careless manner 「たとえ軽率な態度でしょうもない事を話しても問題は起こらないだろう」くらいに変えてみてはいかがでしょうか? 第6文にも rapport が出ました。これはフランス語系の単語で末尾の t を発音せず[ラポア]のように発音します。日本語としても「ラポール」として特に心理学などでは普通に使われる単語であり「人と人との親密なつながり」を意味しています。「あの人とはラポールが取れない」などと言います。マンションの名前にも「ラポール○○」なんていうのがあります。

Talking with each other, you may think that what he says is worth listening to, but that he is a little fifferent from you in opinion.  If you can object to him, asking yourself why you should think so, and saying frankly that he is wrong for such and such reasons, you will be free from worries.  Even if your friend grumbles about something different from what you think, it will do if he is talking about some silly and common things.  But he will be far inferior to a frienf of yours who can understand youe feelings very well.  It can be unbearable.

N君:先生の第3文主節冒頭の it will do というのはどういう意味ですか?

S先生:「それはそれでOK」のような軽い言い方で結構使います。