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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第688回 2023.2/3

古文研究法90-1 竹取物語より:かぐや姫いはく「声高にのたまひ(や)の上に居る人どもの聞くに、いとまさなし。永き契りのなかりければ程なくまかりぬべきなめりと思ふが、悲しくはべるなり。御心をのみ惑はして去りなむことの悲しく耐へ難くはべるなり。(以下続く)

かぐや姫が言うには「おじいさん、大きな声でおっしゃいますな屋根の上に居る人達が聞いたらみっともないです。ずっと一緒に居られるという前世からの運命がなかったので間もなくおいとましなくてはならぬ次第だと思いますとそれが悲しうございます。おじいさん・おばあさんには御心配ばかりおかけして行ってしまうことが悲しくて耐えきれないのでございます。

N君:月世界からの迎えが来ようとしていて、かぐや姫はおじいさん・おばあさんに最後の別れの挨拶をしている場面です。それを阻止しようとして帝が多くの武者を派遣して、彼らは屋根の上に上がって弓に矢をつがえています。禁止の「な~そ」が久し振りに登場しました。形容詞「まさなし」は「体裁が悪い、人聞きが悪い、みっともない」の意。

Princess Kaguya said to the old man, "Could you speak in a slight tone ?  The guards on the roof might think it shameful for you to speak loudly out of temper.  There is no karma that you and I can live together on the earth.  Therefore I have to go back soon to the moon, which makes me feel sad.  I cannot put up with the fate that I must leave the earth with causing you so much anxiety.

S先生:だいたい良いですが細かい所を3か所指摘しておきます。第1文 Could you speak in a slight tone ?  の slight はちょっと不自然なので softer くらいに変えましょう。Can でなくて Could にしたのは「もしできれば~していただけないでしょうか」という丁寧な言い方を意識したものでここでは適切だったと思います。第3文の同格 that 節中にある you and I can live together の can は will のほうが良いと思います。第5文の同格 that 節中 I must leave the earth with causing you so much anxiety ですが with が不要です。いかにも付帯状況のような顔をして with が入り込んでいますが、分詞構文と思えば with は不要なわけであって、見逃し易いです。東大英語で必ず出題される文法問題に「次の英文の中に文法上不要な単語がもしあればそれを指摘せよ」というのがあって、難しいものばかりが出ますが、N君のこの作文を見てそれを思い出しました。もちろん東大英語にはこんな易しい with など出題されるはずもなく、もっと高度で嫌らしいものが出ます。N君が東大英語を受けるかどうか知りませんが、普段から、そのような文法的視点を持って英文を眺めておく、という態度は必要だと思います。

Princess Kaguya said to the old man, "Don't speak so loudly, please.  The guards on the roof might think how shameful your behavior is.  Since we made no promise in our former life that we will live together in this world, I will soon have to say goodbye to you to go back to the moon.  How much I have troubled you !  I feel so sad that I can't bear the thought of parting from you.