kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第601回 2022.11/8

古文研究法46-2 枕草子:「いと執念(しふね)御物怪(もののけ)にはべるめるを、たゆませ給はざらむなむ、よくはべるべき。よろしくものせさせ給ふなるをなむ、喜び申しはべる」と言葉少なにて出づるは、いと尊きに、仏の現(あら)はれ給へるとこそ思(おぼ)ゆれ。

「大変頑強な御病因でございますようなので油断なさらないことが一番でございましょう。快方へ向かっておられるようなのは何よりでございます」と、言葉少なに述べて帰るのは大変尊いので、仏様が現れなさったような気がする。

N君:なんかよく分からない話です。見舞いの帰り際に自分の発した言葉を「尊い」と自画自賛しているように見えますが、これでよいのか? 清少納言という人はこういう人なのかもしれません。形容詞「しふねし」はその読み通り「執念深い、強情な」の意味で覚えやすい。昔は、全ての病気は物怪のせいだと信じられていました。「たゆむ」は「油断する」の意。前回に引き続いて動詞「ものす」が出て来ました。これは do なのですが文脈に合わせて訳さなければなりません。ここでは「病気が快方で向かう」の意です。

I said briefly, "I think that he might be being underminded by an obstinate disease.  It seems the most important for him to be alert to something unhealthy.  I am glad to know that he seems to be getting better again."  Just like this case, going out from a short inquiry with a positive word may be ideal and make us comfortable as if a God appeared.

S先生:今日のところは問題が多い。それはN君の作文がどうこう言うより以前に、清少納言さんの書きぶりに問題があるように思いました。気を取り直していきましょう。第2文の It seems the most important for him to do ですが、この定冠詞は除外して下さい。What is most important is 、、、のように叙述用法の形容詞にくっついた most に定冠詞を付けてはいけません。定冠詞が付くのは限定用法の場合であって The most important thing is 、、、のような場合です。基本的なことですが、案外、成績上位者でも忘れている生徒がいます。同じく第2文の be alert to something unhealthy「不健康なことに気を付けておく」の所はもっと強く do nothing bad for his health「体に悪いことは一切しない」くらいの表現の方が適切だと思います。さて問題はここからです。N君は第4文で「このように、見舞いに行ってポジティブな一言を残して帰るのがいいのだ」とまとめてくれました。ここの部分は清少納言さんがあまりにも不遜過ぎて、どうまとめたらよいのか悩みますよね。たとえば、Saying so, I returned home.  My short words were so honorable that I felt as if a Buddha had appeared. などと訳すこともできるのですが、これも清少納言さんの不遜さを払拭できていません。元々の原文が変なのですからお手上げですね。

I returned home, saying briefly, "He seems to be suffering from a serious disease.  You should take good care of him.  But I am so happy that he is getting better day by day."  My short words sounded so thoughtful that I felt as if a Buddha had appeared.