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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第720回 2023.3/7

古文研究法107-2 源氏物語手習より:(浮舟)「幼くはべりしほどよりものをのみ思ふべき有様にて親なども、尼になしてや見まし、などなむ思ひのたまひし。まして少しもの思ひ知りはべりて後は、例の人様ならで後の世をだに、と思ふ心深くはべりしを、亡くなるべきほどのやうやう近くなりはべるにやここちのいと弱くのみなりはべるを、なほ、いかで」とて、うち泣きつつのたまふ。

「子供の時分より私は色々な事情で悩んでばかりいる身の上で、親なんかも、この子は尼にしてみようかな、などと思い口にも出しておりました。まして分別がつくようになってからは、普通の人妻として生活するのではなくて尼になってせめて死後の世界だけは安らかに過ごしたい、と強く思うようになりまして、死期が近づいてきたからでしょうか健康も衰える一方ですので、やはりどうか私を尼にして下さい」と泣きながら言った。

N君:横川僧都の説得に対して浮舟が反論している場面。他人や自身のつぶやきが挿入句として3か所に出てくるので、それらを見逃さないようにして話の構成を追っていきます。「やうやう」は「だんだんと」、「ここち」は「健康状態」です。

Ukifune answered with tears in her eyes, "I have been distressed every day by various circumstances since I was a child.  My parents also said that it was rather good to make me a nun.  Therefore, as I got grown, I followed their opinion naturally.  Indeed I think that I want to become a nun and lead an uneventful life at least in the next world.  Now the moment for death is coming to me.  I know my health is being undermined day after day.  I feel sorry to disobey you, but I want you to let me leave this world all the same."

S先生:無理なく作文できています。最後のところの副詞句 all the same「それでもやはり」はあまりお目にかからない言い方ですが、ここでは適切です。

Ukifune said tearfully, "I have been worried about various affairs since I was a little girl.  My parents often said, 'Shall we make her a nun ?'  After I had come to realize the reason of this world, I seriously wanted to become a nun to live peacefully after my death, not to live my life as someone's wife.  Now getting weaker and weaker, I am being on the brink of death.  Please consider that the only way to save me is (to) make me a nun."

今日は早く終わったので久し振りに英作談義をします。今日のテーマは「起点を表す of」です。within ten minutes' walk from my house「家から歩いて10分以内で」で特に間違いではないと思いますが、この from を of に変えてもらったほうがよいです。そのほうが英語らしい感じがします。ついつい from を使いたくなる場面、たとえば、He came out from the house.「家から出てきた」や、She looked out from the window.「窓から外を見た」でも、from ではなくて of のほうが良いです。これらの of は「起点の of」というよりもむしろ「~から外へ」の意味で用いられます。またこれらの of の後は名詞とは限らず、out of indoors のように副詞が来ることもよくあります。of に限らず他の前置詞でも、from here,、from now on、until then など、そのような例はいくらでもあるので驚いてはいけません。