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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第585回 2022.10/23

古文研究法32-1 徒然草:孝養の心なき者も子持ちてこそ親の志は思ひ知るなれ。世を捨てたる人のよろづにすみすみなるが、なべてほだし多かる人のよろづにへつらひ望(のぞみ)深きを見て、むげに思ひくたすはひがごとなり。

親孝行の心がない子でも自分が子持ちになって初めて親の心底がしみじみ分かるものである。世捨て人で万事係累のない人が、色々と関わりの多い人が何かにつけておべっかを使い欲張っている姿を見て、一概に軽蔑するのは間違いだ。

N君:難しい古語もたくさんありますが、今回はそんなことよりも「古文特有の言い方」に着目します。「世を捨てたる人のよろづにすみすみなる」「なべてほだし多かる人のよろづにへつらひ望深き」に共通するのは、【名詞+主格「の」+~+連体形】というパターンです。これに慣れることが大切だと思います。形容動詞「すみすみなり」は「関わりがない」、その逆が「ほだし多かる人」で「何やかやと関わりの多い人」です。「思ひくたす」は、思ひ腐す、で「軽蔑する」の意。

It is not until a man who has little thanks for his parents has his own child that he can understand their deep love for him.  Those who live in seclusion without relatives will often despise people who have various relations with this world and pay compliments everyday to their supervisors out of greed.  But it is wrong.

S先生:良く書けています。第1文の It is not until A that B. の形はお馴染みですが、文字通り解釈すると「BしたのはAまでではなかった」となって何のことを言っているのか分かりませんが、これは「Aの後にすぐにBした」のように”流れ下る感覚”なので、何度も使って慣れていきましょう。ここでも適切に使えています。第2文の will often は「現在の習慣」を表していますね。often があると明確なのですが often が無い場合もあるので気を付けておきたい。後半に出てくる compliment「お世辞」と発音が全く同じ単語 complement は「補語、加えることで全体を完全にする補完物」の意味です。どちらも重要な単語なので辞書を引いて例文を書き抜いておきましょう。

It is not until they have their own child that those with no filial piety feel keenly how their parents have loved them.  A hermit who has nothing to do with worldly affairs is apt to despise greedy people who flatter their superiors in order to have them treated well.  But it is abused to belive that he is right.

N君:S先生の第1文の指示代名詞 they は後に出てくる those を指しているのですか?

S先生:その通り。このように指示代名詞が本物の名詞よりも先に出てくる、ということが英語では稀ならずあるのです。ここで慣れておいて下さい。

N君:filial piety「子としての敬愛」、hermit「世捨て人」。僕の作文の最後のところに But it is wrong. という文がありますが、however を使って書くとしたら It, however, is wrong. というような感じになるのでしょうか?

S先生:動詞・助動詞があるなら、カンマで区切ってその後ろに however を置いて下さい。この場合は It is, however, wrong. となります。しかしこのような短い文章の場合は However, it is wrong. とか、あるいは It is wrong, however. のほうが自然でしょう。もうちょっと長い文なら最初に言ったように You must, however, do it right now. といった感じで使って下さい。