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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第299回 2022.1/11

帚木54:(左馬頭の言葉続き)必ずしも我が思ふにかなはねど、見そめつる契りばかりを棄て難く思ひとまる人は、ものまめやかなりと見え、さてたもたるる女のためにも心にくくおしはからるるなり。

考えてみれば結婚なんてものはそうそう自分の思ったとうりにはいきゃしますまい。けれどもね、仮に結婚後に思った通りでなかったとしても、見そめた頃にはなんか良いところがあったわけでしょう、だからその頃に契った縁を大事にして、棄てることなく共に生きていく、そういうことならその人自身も真面目な人柄だと見えるし、またそうやって添い遂げる妻のほうにもさぞ良い所があるのだろうなと、周囲の人々も思ってくれる。

N君:Generally speaking, a marriage will never go as you please.  But, no matter how awfully different from your expectation your wife would be, she might have had a good point when you fell in love with her at first sight.  Therefore you have to nurture the fate, not abolish it and continue to live together with her, which makes you look faithful.  Under the proper condition, people will come to regard your wife as a woman who surely has a good trait.

S先生:第1文の a marriage ですがこの不定冠詞はいけません。「結婚というもの」という意の抽象名詞は無冠詞でよいです。英語で最も難しいのが冠詞、2番目に難しいのが前置詞、と言われています。第3文のカンマで区切られた後半部を分詞構文ととらえて、abolish をabolishing に変え、continue をcontinuing に変えてみましょう。こうすることで軽快感が出ます。第4文の Under the proper condition, は大仰だし硬すぎる。こういうところはN君のいけないところです。簡潔に Then くらいにしておきましょう。

As for marriage, it won't go so well as you want it to.  Your partner might not be so good a wife as you expected before you got married to her.  But when you got in love with her at first sight, she must have had some good points.  So you must treasure the pledge you made when you married her.  If you get along well with her without deserting her, the people around you will think that she may have something good and faithful.

N君:第1文末の to は代不定詞と呼ばれているもので、この後に go well が省略されているのでしょう。第2文の so good a wife as ~ ですが、good が a wife の前に飛び出しているこの語順に注意したい。このことは参考書などで知識としては知っているのですが、いざ作文の段になってちゃんと使えるかというと自信がありません。第4文に動詞としての treasure「大切にしまっておく」が出ました。僕は名詞しか知りませんでした。今回の作文とは関係ないのですが最近ちょっと気になっていることがあります。それは「barely と hardly」のことです。このことについて辞書で調べてみたので聞いてください。僕の印象としては「どちらも肯定と否定のはざまにある副詞で、どちらかというとギリギリ肯定」ということでこれまでやってきました。辞書から例文を挙げてみます。He barely caught the 12:00 flight.「かろうじて間に合った」。I can barely hear you.「かろうじて聞こえる」。これは「ほとんど聞こえない」と受け取ることもできますが、barely の場合はどちらかというと肯定のほうに重きがあるようでした。これにたいして hardly はどちらかというと否定のほうに重きがあるようでした。I hardly know him.「ほとんど知らない」。Could you speak up a little more please ?  I can hardly hear your explanation.「もう少し大きな声でお願いします、説明がほとんど聞こえないので」。辞書によると scarcely のほうが否定の度合いが強いとのことだったので、全体をまとめると barely > hardly > scarcely となります。左が肯定、右が否定です。

S先生:barely > hardly > scarcely の感触は合っていると思います。こういう所に注目してそれを自分で調べる、という態度が大切で、とても感心なのですが、表現が大仰だったり硬すぎたりするという難点がN君にはあるので、時々は肩の力を抜いて全体を見回す余裕を持ちましょう。