kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第300回 2022.1/12

帚木55・56:(左馬頭の言葉続き)されど、なにか、世のありさまを見給へ集むるままに、心に及ばずいとゆゆしき事もなしや。君だちの上なき御選びには、ましていかばかりの人かはたらひ給はむ

あーあ、しかしです、実際のところを私が拝見しておりますとね、この夫婦は偉いなあ、自分などはとても及ばないなあ、と感心するようなためしはあったことがない。私程度の人間でもそんなわけだから、まして源氏さま・中将どののような公達の奥様選びとなったら、さてさてどれほどの素晴らしい女性を探したらいいものでしょうかなあ。」

N君:左馬頭の長いセリフはいったいどこまで続くのか。よくしゃべる男です。玉上琢彌著「源氏物語現代語訳」によると、「たらひ給はむ」のところは実は「たぐひ給はむ」で、「お似合いなさいましょうやら」の意だそうです。

However, actually I can hardly see a respectable couple which seems to be in an incomparably high level.  It is hard even for me to seek an appropriate wife, much more so for you, Genji and General.  Never do I know what kind of prominent women should be suitable for you two."

S先生:第1文で hardly を早速使ってきたね。第299回でN君自身が調べたように「hardly は barely に比べて少し否定寄り」なので、ここでの使い方はとても良いと思います。同じく第1文の関係代名詞について注文があります。先行詞は a respectable couple でこれは人なので、関係代名詞は which ではなく who にしてください。また couple は単数なのですが二人なので動詞は seems ではなくて seem にしてください。このあたり少しややこしいですが、要は「杓子定規ではない」ということです。第2文の much more は簡単に見えて学生さんは中々使えない言い方です。例文を挙げておきましょう。He can write English, much more read it.「書けてその上読める」。He cannot read English, much less speak it.「読めなくてその上しゃべれない」。第3文では第296回で触れた「強調のひとつの方法:副詞+V+S」を上手に使うことが出来ました。Vが前に来ていますが疑問文ではなく、肯定文の強調形です。現在形の一般動詞 know を do+know に分けて、do のみを前置したと考えましょう。be動詞の時はこういうことはなかったが、一般動詞なのでこういう形になるのです。

Ah, to tell the truth, I have never seen a couple who are far superior to me.  Even I, far below you, can see how difficult it is to choose a good wife.  I wonder what you should do when your excellences choose perfect wives from among many ladies.

N君:先生の作文を読むと「簡潔で締まっており内容が伝わって来易い」と感じます。短い表現の中に多くの内容を含んでいるのが分かります。

S先生:私などより上手な人はたくさんいます。今回で300回を迎えてN君もかなり上達していますが、今後は「簡潔に短い文を書く」を心がけてみるのも一つの上達方法だと思います。