2021-08-26から1日間の記事一覧
帚木64:(左馬頭の言葉続き)げに、さし向かひて見む程は、さてもらうたき方に罪ゆるし見るべきを、立ち離れて、さるべき事をも言ひやり、をりふしにし出でむわざの、あだ事にもまめ事にも、我が心と思ひうる事なく、深きいたりなからむは、いと口惜しく、頼…
帚木62・63:(左馬頭の言葉続き)ただひたぶるに子めきて、やはらかならむ人を、とかくひきつくろひては、などかは見ざらむ。心もとなくとも、直し所あるここちすべし。 と、そういうことになると、結局一番良いのは、ただひたすらおっとりと子供っぽい女で、…
帚木61:(左馬頭の言葉続き)近くて見む人の聞きわき思ひ知るべからむに、語りも合はせばやと、うちもゑまれ、涙もさしぐみ、もしはあやなきおほやけはらだたしく心ひとつに思ひ余る事など多かるに、『何事ぞ』など、あはつかにさし仰ぎ居たらむは、いかがは…