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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第202回 2021.10/6

桐壺142:さぶらふ人々、御後ろみたち、御せうとの兵部卿のみこなど、「かく心細くておはしまさむよりは、内住みせさせ給ひて御心も慰むべく」などおぼしなりて、参らせ給へり。

これには御母后の御殿にお仕えしている女房たちも、また四の宮の兄君の兵部卿親王なども「四の宮がこのように心細い身の上でいるよりは、いっそ帝の御親切をお受けして内裏生活をさせてみたら、寂しい心も慰むにちがいない」と思うようになり、四の宮はついに参内されることに決まった。

N君:Hearing His kind remarks, the ladies-in-waiting who served in the late mother's Palace and Hyohbukyo-no-miko, her elder brother, came to think that she might as well accept the Emperor's demand to lead a comfortable life at Court rather than spend a lonely life like this.  Eventually they decided to send her to Court.

S先生:may as well do「~するほうがまし」はかなり難しい言い回しですが、ここでは適切です。後の方に rather than があるので比較対象がはっきりしていて良いと思います。ここが欠落している場合のほうが多い印象です。demand のあとに続く to lead 以下は結果の不定詞でしょうか、感じが出ています。この部分は and lead ~ としても同じことなのですが、不定詞にすることで文章が締まります。「帝のおっしゃるようにして宮廷で気兼ねなく暮らす方がまし」という意になりますね。

The ladies who had served her mother, and her older brother, Prince Hyobu, thought that she might be consoled at Court rather than feel helpless at home if they let her accept the Emperor's kind offer.  And it was desided that she (should) be sent to Court.

第2文の that節の中味は「既に存在している事実ではなく、これから実現されるべき事」を述べているわけですが、このような場合は、事実として述べる直説法とは区別をして、仮定法現在(原形)あるいは should を用います。したがってもし should が省略されても動詞は is ではなく be を使います。このような現象は特殊かと思いきや結構よくあることで、order, demand, propose のような命令・提案型の動詞のあとに続く that節や、necessary, important のような必要・重要型の形容詞のあとに続く that節では、このような現象が起きるので注意してください。たびたび出てきて恐縮ですが、中原道喜先生の新英文読解法の79ページから例文を引いておきます。He demanded that she stay home.「should stay でも良いが stays はダメ」。It was necessary that she stay home.「should stay でも良いが stays はダメ」。これはなにも難しいことではなく、考えてみればそうだろうなと納得のいく理論です。これまで深く考えることなく should で済ませていたことの背景にこのような理屈があったのです。