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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第158回 2021.8/23

桐壺98:風の音、虫のねにつけて、もののみ悲しうおぼさるるに、弘徽殿には久しくうへの御つぼねにも、まうのぼり給はず、月のおもしろきに、遊びをぞし給ふなる

とにもかくにも、秋風の音、虫の声、なににつけても帝はただただ悲しく思われているというのに、弘徽殿女御ときたら、いっこうに帝の御寝所へ参上することもなく、おりしも月の美しい夜、深夜に及ぶまで平然と管弦を奏でて遊んでいるようだ

N君:助動詞「なり」は一般には体言や連体形に接続して断定の意を表すのですが、ここでは終止形「給ふ」に接続しているので、断定ではなくて、伝聞・推定(略して伝推)の意を表しています。これは古文の基礎中の基礎で、必ず押さえておくべきです。

Although the Emperor felt nothing  but a grief when hearing anything such as the autumn wind rustling and crikets chirping, it was Kokiden-no-Nyogo that enjoyed music performances selfishly till the midnight on moonlit nights without having any will to visit His bedroom.

S先生:前半部ではhear に続く O+C の O が重すぎるのが気になるので、思い切ってここは、the rustling of an autumn wind に変えてみてはどうでしょうか。このように変えると、次の crikets chirping との間にあった文法的な対句関係がなくなってしまうので「痛しかゆし」なのですが、前重後軽はそれほどに嫌われる、ということです。後半部では強調構文を効果的に使うことができました。

The moaning of an autumn wind, the chirping of insects, everything made the Emperor sad, while the Lady of Kokiden would not visit His bedroom but was enjoying the strings of Koto unconcernedly deep into the night when the moonlit was so beautiful.

N君:would は強い意志を表しているのですね。but に続く過去進行形は単なる過去進行ではなくて「いつもやってた」という習慣的な感じを出していると思います。into the night は有名な言い方で「夜更けまで」の意です。He worked late into the night. という例文が辞書に出ていました。into で気になる言い方に burst into laughter「どっと笑う」があります。into という単語は「なにかひとつのものが別物へ変化していった様子」を表す力があるようです。