長恨歌 その49: 風吹仙袂飄飄挙 猶似霓裳羽衣舞
風は仙袂(せんべい)を吹いて飄々として挙がり、なお霓裳羽衣の舞に似たり。
風が太真の仙衣のたもとに吹いてヒラヒラとひるがえす。その光景はあたかも「霓裳羽衣」の舞い姿を思わせる。
N君:構成的には難しくない。非制限用法の関係代名詞を使って、主節全体を受けるように持って行けばよいと思います。
The fringe of her clothes ripples in a tender wind, which resembles the dance of "Geisho Ui".
S先生:英文としてはこれで良いと思います。ただしひとつだけミスがありました。カンマなりピリオドなりをコーテーションマークの内側に入れて下さい。
The wind flutters the sleeves of her clothes. It seems as if you were reminded of the beautiful dance of "Geisho-Ui."
N君:「ピリオド・カンマ・ビックリマーク・はてなマークをコーテーションマークの内側に入れろ」という話は実は先生が第1回の時に指摘した事項だったのですが、私はきれいさっぱり忘れておりました。会話部分ならわかるのですが、単なる強調として用いたコーテーションマークの時は、ピリオドなどの区切り指標をその外に出したくなるし、それがまともな日本人の感覚だろうと思うのです。それを「内に入れろ」というのは俄かには信じられなかったので手持ちの英語小説をパラパラめくってみたところ、確かに内に入ってました。もう何年も英語をやってるのにこんなことも知らなかったというショックがあとを引きそうです。ちなみに quote は「引用する」の意で、原義は「章に分ける」ということらしいです。’ ’はシングル、" "はダブルのコーテーションマークと呼ばれています。