kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第705回 2023.2/20

古文研究法98-2 建礼門院右京大夫集より:我ならで誰(たれ)かあはれと水茎(みずぐき)の 跡末の世に残るとも

この書き物がもし後世まで残って他人が見ることがあったとしても、いったい誰が興趣を感じてくれるだろうか、本当にしみじみと見る者は私以外にはおそらくあるまい。

N君建礼門院右京大夫の難しい歌です。「水茎」は「筆」の意味なので、「水茎の跡」は「書物」ひいては「今自分が執筆しているこの建礼門院右京大夫集」を指しています。水茎の「み」に「見」を掛けていて「見ず」となります。ここに反語の気分が漂っていますがそれを見抜くのは至難の技です、少なくとも僕には全く分かりません。「し」は強意の副助詞。全体を通すと「私以外にはこの書物をしみじみと見る者は居ない、もしこの書物が後世に残っても」となります。掛詞や反語や譲歩節を含む難しい歌で英作文するとなるとどういう構成がよいのか悩みます。

Who on earth will be able to sympathize with my sentences and poems, no matter how long they will remain in the future to be read by others ?  It will be no one but me who can be for them inwardly.

S先生:構成はこれでOKですが少しだけ気になる部分がありました。第1文の in the future は不要でしょう。その意味は既に how long の中に含まれているからです。また第2文の be for them「私の書いたものに賛成で」という言い方はちょっとずれている気がするので、appreciate them 「私の書いたものをちゃんと味わう」としてみてはいかがでしょうか、こっちの方が原文に近いと思います。

Who in the world will read this writing of mine in future years and find it interesting and significant ?  Whoever but me will appreciate this with deep emotion ?