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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第605回 2022.11/12

古文研究法49-2 宇津保物語:三人の人(父母と俊蔭)額をつどへて血の涙を落として、出で立ちてつひに船に乗りぬ。もろこしに至らむとする程に仇(あた)の風吹きて、三つある船、二つは損(そこ)なはれぬ。多くの人沈みぬる中に、俊蔭が船は波斯国(はしこく)に放たれぬ。

父母・俊蔭の三人は顔を見合わせて血涙を流し、そして俊蔭は出発しとうとう遣唐船に乗り込んだ。唐に到着しようかという時に邪魔な風が吹いて、三隻のうち二隻は難破してしまった。沢山の人達が沈んでしまった中で、俊蔭が乗った船は波斯国へ漂着した。

N君:波斯国というのはペルシアつまり中東ですから、今で言えばイラン・イラクサウジアラビアのあたりですが、そこまで流されるとは考えにくいので、ここでは「唐より遠い国」くらいの意味でしょう。このあたりの記述は相当エエカゲンです。

They, the three, sit facing each other and cried loudly.  Finally he set off for his journey and rode on the ship.  Just before the envoy arrived at Tang, it was hit by a malicious storm.  Two of the three ships were wrecked after all.  While lots of the members were drowned , Toshikage's ship did not sink.  I hear it drifted away to a land which is much more distant than Tang.

S先生:全体的にまずまずの出来です。細かい所を何か所か指摘します。第1文の ride on は、馬・自転車・バイクなどに乗る時に使います。ここでは船なので boarded the ship にしましょう。第2文の arrive at Tang ですが、あるポイントに到着した、というよりも、入唐(にっとう)した、という感じなので、 at よりも in のほうが良いでしょう。同じく第2文の a malicious storm は「嵐に悪意があるように見える」のでやや不自然です。a high storm くらいでどうでしょうか。第3文に登場した drown は正しく使われていますが、ややこしい単語なのでここで整理しておいて下さい。他動詞 drown「溺れさせる・水浸しにする」の活用は普通で drown-drowned-drowned ですが、自動詞も他動詞もある draw の活用は不規則で draw-drew-drawn です。この drown と drawn が似ているので気を付けましょう。発音の違いにも注意しましょう。[アウ]と[オー]の違いです。こんがらがっている生徒が多いです。

Looking at each other, they cried their heart out.  At last Toshikage left home and got on broad the ship.  Just before they were arriving in Tang, they were mercilessly hit by a storm, two of the three ships wrecked.  Lots of the people in the party were drowned to the bottom of the ocean.  Toshikage's ship was drifted away as far as Persia.

N君:先生の第1文の cry one's heart out というのはどういう意味ですか?

S先生:「胸が張り裂けんばかりに泣く」の意味です。

N君:先生の第2文では、従属節+主節、と来たあとに、付け足しみたいに two of the three ships wrecked があるのですが、なんか不自然です。主節が二つあるのか?

S先生:独立分詞構文です。being wrecked の being が省略された、と理解して下さい。何かがくっ付いているときは分詞構文を疑ってみて下さい。