桐壺184：なかなか限りもなくいかめしうなむ。
東宮の元服にはさまざまのいかめしい規則があって自由にはならないが、臣籍に降った源氏のそれともなればかえって自由になるので、限りなく盛大華美に執り行なわれたのである。
N君：Free from a lot of rigid ritual rules the Crown Prince should adopt, Genji, who had stepped out to a subordinate class, was able to follow more liberal manners. This is why his ceremony was held splendidly and luxuriously.
S先生：全体的に良い出来だと思います。簡潔さを心がけてください。私の作文の冒頭の His は前回からの続きで「東宮」を指しています。
His ritual had to be held under the restriction of various strict rules, while the rite for Genji, who had become a subject, was performed more grandly and gorgeously without being restrained by the regulations.
前回は東大入試英語の話をしたので今日は京大入試英語の話をします。年によって違いはありますがおおむね 英文和訳2問+和文英訳1問 です。それぞれが長大かつ難解です。東大と違って細かなことは一切尋ねられることなく、時間もたっぷり120分与えられて、自由に、思うまま気の向くままに書いていきます。ヒアリングはありません。自由度が大きすぎるので採点が大変だろうと思います。要するに「日本語表現と英語表現との間をスルスルと行ったり来たりできる能力」が試されます。東大英語の問題量の多さ・種類の多様さ・時間のなさ とは全く逆の設定になっているので、京大のほうがくみし易いと思う人が多いでしょうが、決してそんなことはなくこれはこれで難しい。英文和訳2題は超難ですが、これをなんとかこなしつつ、問題文中に現れた英語表現を、和文英訳1題に応用するという裏技もあります。東大では「時間配分に注意して効率良く無駄なく」が大切なのに対して、京大では「細かい事は気にせずじっくり腰を落として考える」が大切です。京大理学部を受験した生徒の体験談をここに紹介しておきます。「1日目AM国語は可もなく不可もなし。皆同じだ。1日目PM数学が恐ろしいくらいにできた。5完1半で思わずニンマリ。ところが2日目AM英語：難しすぎて手が出ません。気を取り直してPM物理化学：さらに難しくて書くことが無い、となって顔面蒼白。試験が終わって外に出ると雪が涙雨にかわっていた。3月10日の発表日、数学のおかげでなんとか受かってましたが、英語はやばかった(本人談ママ)。」とのことでした。京大英語攻略の第一歩はまずは英作文でしょう。そのためにはこのブログがおおいに役に立つと思います。それと毎日英語日記を書いて先生に添削してもらうのが良い。そう、毎日です。
