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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第238回 2021.11/11

桐壺178:御さかづきのついでに、(帝)「いとけなきはつもとゆひに長きを契る心は結び込めつや」 御こころばへありて、おどろかさせ給ふ。

帝から杯を頂戴する、そのついでに帝は歌を贈った。「幼き者が冠を着するについて、その初めて結ぶ元結(もとゆい)に、そのほうは姫と若君との夫婦の契りの願いを込めたかね」。そんな御心のこもった御言葉を賜って左大臣を感激させるのであった。

N君:「世」は一般的には世の中とか人の一生のような意ですが、重要な意味として「男女の仲、夫婦仲」があります。帝の歌に出て来る「世」もこの意味であろうと考えられます。

As He gave the Minister a cup of sake, He composed a poem for him, "Into the strap to fasten the hair of Genji in the ceremony where he wore a crown for the first time, did you put in the string your wish to marry your daughter to him ?"  The Minister was touched by such heartfelt words from Him.

S先生:帝の歌ですが、冒頭の Into the strap to do 以下の長い句と、主節の中にある in the string が重複しています。そこで Into the strap to を When you に変えて副詞節にしてしまいましょう。最後の文に出て来る形容詞 heartfelt は sincere のような意味で適切と思います。heart-warming でもよいですね。ただし heartful はいけません。この言葉は英語には存在せず完全な和製英語です。最近街中でこの heartful という語をよく見かけます。看板にデカデカと「ハートフル歯科」なんて出している歯医者さんを知っています。N君も気を付けて下さい。

The Emperor Himself poured a cup of sake for him and recited a poem : "When the young boy had his hair braided at the ritual of bestowing a crown on him, did you wish that he and your daughter would become husband and wife ?"  The Minister was very moved to receive His warm-hearted words.

N君:なるほど「~してもらう」を言いたい時には「弱い使役動詞」を使えばよいのですね。have+O+p.p. の形は頭では知っていても、こういう咄嗟の時に出てきません。まだまだ修行が足りません。