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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第97回 2021.6/23

桐壺37:うちより御使いありけり、三位のくらゐ贈り給ふよし、勅使来てその宣命よむなむ、かなしき事なりける。

内裏から使者が来て桐壺更衣に従三位を追贈する旨、宣命(せんみょう)を読み上げるのが悲しみを新たにさせる。

N君:A formal messenger was  delegated from the Palace in order to proclaim that the late Kiritsubo should be positioned on the third rank of aristocracy.  Hearing the statement quietly, her mother felt sadder because such promotion was in vain now.

S先生:Then a messenger came from the Palace with the Imperial document that the late Kiritsubo had been raised to the Third Rank.  This aroused a new grief in the heart of her mother.

短かめに終わった日は何か話そうということになってます。今回の英作談義は「of の解釈と訳し方」について考え直してみよう。さっきの the heart of her mother「桐壺母の心」は何の問題もない。A of B「BのA」でよい。でもそうではない of もあります。テレビの歴史と役割について述べたお硬い評論文の中に the experience of the medium itself という名詞句が出てきました。普通に訳せば「テレビそのものがこれまでに積んできた経験」となるわけですが、そうするとなにやら文章の繋がりがおかしくなったのです。”テレビが経験した”と考えるからおかしくなるのであって、”我々が経験した”と考えると見える世界が違ってきて、「テレビ自体を視聴すること」というこなれた訳文に思いいたるのです。A of B の A の中に潜む動詞成分を意識してその目的語として B を考えてやると、新しい世界が見えてくるのです。普段は何の問題もない A of B でも、ときには立ち止まって見つめ直してみましょう。

N君:すごく大事なお話を伺った気がします。