kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第60回 2021.5/17

 長恨歌 その60: 天長地久有時尽 此恨綿綿無尽期

天長く地久しきも時ありて尽く。この恨みは綿々として尽くるときなからん。

天地は長く久しく続くともいつかは崩壊の時が来る。しかしこの二人の離別の恨みはいつまでも長く絶えることはないであろう。

N君:ここで言う「恨み」はウラメシヤの恨みではない。単なる悔悟ではなく、悲しみや愛しさやその他の色々な emotion を含んでいて、regret では表現しきれないような気がします。

Eternal as the heaven and earth seem to be, they are virtually doomed to collapse someday.  However the two person's regret of having parted tragically will linger on forever.

S先生:第1文の 形容詞+as+S+V の形は弱めの譲歩節とも言うべきもので、ここでは適切だったと思います。譲歩節的な表現はこの他にもあるので今後気を付けておこう。the heaven and earth の定冠詞ですが、対句の時には付けない決まりになっているのでここは除外しておきましょう。virtually は難しい単語で、字面とは逆に「事実上、実際」のような意で使われることが多いので注意が必要。ここではこれで良いですが、除外するほうがスッキリすらかもしれません。someday と some day は微妙に異なるので辞書を引いて確認しておきましょう。ここでは someday でよいです。第2文の of having parted tragically はこれでよいですが of having been made to part tragically のほうが気分が出ると思いました。regret では表現しきれないというN君の感想には同感です。私は grudge を使いましたが、これももう一歩と思います。

However long heaven and earth may continue, there surely comes a time when they will cease to exist.  But the two person's grudge that they were made to part will be unceasing.

N君:これで長恨歌が終了しました。長々ありがとうございました。次回から源氏物語「桐壺の章」です。たぶん長恨歌の3倍以上の分量があるでしょう。