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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第757回 2023.4/14

古文研究法123-2 大鏡より:さばかりの事を聞かせ給はむには、少しすさましくもてなさせ給ふべけれど、必ず人の思ふらむ事をば、押し返しなつかしくもてなさせ給ふなり。いみじき御賭け物どもこそはべりけれ。かやうの事さへ帥殿は常に負け奉らせ給ひてぞまかでさせ給ひける。

「伊周が何か企んでいる」というようなそれほどの不都合な噂があったと道長様が聞いた場合には、普通だったら伊周様に対して冷淡に遇するのが当然だろうが、道長様は、皆そう思うだろうということは抑えておいて、逆に伊周様に対して親しくもてなすのであった。高価な賭け物もあった。双六のような遊び事でさえ、帥殿はいつも負けて退出した。

N君:冒頭に出てくる「さばかりの事」というのは「伊周様が何か悪だくみをしているそうな、という大変な噂」を指しています。一方終盤に出てくる「かやうの事」は「双六遊びのような些事」の意味です。この二つの対比は面白いです。形容詞「すさまし」は「冷淡」の意、「なつかし」は「親しい」の意、で両者は「もてなす」を連用修飾する対義語と考えられます。「参る」は「卑所から貴所へ行く」、「まかづ」はその逆です。

In such an outrageous case, it is natural for Lord Michinaga to treat Korechika coldly.  Michinaga, however, gave a cordial reception to him against the anticipation of many people.  A wonderful prize was reportedly served for the Sugoroku game.  But Korechika could not win even the trivial pastime like Sugoroku and went out alone of Michinaga's villa.

S先生:良いです。最近はあまり言うこともなくなってきました。ただし第2文の against the anticipation of many people「おおかたの人々の予想とは逆に」という言い方はちょっと硬いですね。私の作文ではこの部分を unusually という副詞一つで済ましているので、比べてみて下さい。

Naturally, Michinaga ought to treat Korechika coldly in such extraordinary circumstances.  However, he gave him an unusually friendly treatment.  He is said to have had him have a wonderful prize for the game, though he used to leave there always losing at sugoroku.