kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第749回 2023.4/6

古文研究119-2 源氏物語須磨:白き綾(あや)のなよよかなる、紫苑色など奉りて、こまやかなる御直衣(なほし)・帯しどけなくうち乱れ給へる御さまにて「釈迦牟尼仏弟子」と名乗りてゆるるかに読み給へる、また世に知らず聞こゆ

光源氏様は、白い綾の柔らかな紫苑色をした着物をお召しになって、濃い色の直衣や帯を着崩した感じでしめて「お釈迦様の弟子の私」と名乗って、緩やかにお経を読んでおいでになる、その声が何とも言えずいい感じで聞こえてくる

N君:敬語のややこしい部分が出ました。「奉る」は普通は謙譲の補助動詞ですが、ここでは尊敬の本動詞で「着物をお召しになる」の意味です。たまに「食事を召し上がる」の意味になることもあって、その意味の広さに驚きます。また「聞こゆ」は普通は謙譲の本動詞で「申し上げる」なのですが、ここでは敬語とは無関係で単に「聞こえる」の意です。色々なことがあるものです。ところで「釈迦牟尼仏弟子」というのはお経を読む前に唱える決まり文句 commonplace (→ 第745回) だったそうです。「帯しどけなく」は、だらしない、ではなくて、少し着方を崩している感じ。そのほうがより attractive だったようです。

Lord Genji wore elegant purple clothes partly made of soft white Aya.  He deliberately made loose the way to wear his nooshi and obi, which looked stylish.  He gave his name as one of the disciples led by Shaka and recited a sutra to make us comfortable.

S先生:第2文では make+O+C の Oが重いので後置して make+C+O の語順にしましたね。これでよいと思います。

Wearing soft violet garments twilled with white threads, Lord Genji loosely tied obi over the dark nohshi.  He thought himself one of Shaka's disciples and always recited a sutra softly and heartily.  His chanting voice sounded purely as if purifying our hearts.