桐壺130:おほやけよりも、おほくもの賜はす。
これに対して、帝のほうからも、この人相見の高麗人にたくさんの褒美が下された。
N君:Hearing the auspicious event, the Emperor, too, gave a lot of gifts to the foreign master from Kohrai.
S先生:the foreign master from Kohrai は「馬から落馬」「屋上屋を重ねる」というものでしょう。from Kohran があるから foreign は不要です。
The Emperor also bestowed lots of rewards on the Korean physiognomist.
N君:僕が give+物+to+人 の構成にしていたところをS先生は bestow+物+on+人 の構成にしていました。辞書で調べたところ、bestow は「目上の者が下位の者に爵位や褒美を授与する」という意味でした。いろいろな単語があるものです。give に比べていかめしい感じの動詞ですね。
S先生:第186回で「日本語はあいまいだが英語は理屈っぽい」という話をしましたが、186回とは毛色の変わった例を挙げてみましょう。たとえば「ここの気温は東京より高い」なんて我々は平気で言うのですが、正確には「ここの気温は東京の気温より高い」ですよね。日本語の比較は曖昧ですが、英語では比べるものは同じカテゴリーに属する物どうしでなければなりません。ゆえに The temperature here is higher than that in Tokyo. となるのです。