2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
百人一首No.61 伊勢大輔(いせのたいふ):いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重(ここのえ)ににほひぬるかな 古都奈良の八重桜が届いて今日はここ京都の宮中でひときわ美しく咲き誇っています。 N君:久し振りの分かりやすい歌です。 The double cherry blosso…
百人一首No.60 小式部内侍(こしきぶのないし):大江山生野(いくの)の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立 大江山を越え生野を通って行く丹後への道のりは遠いので、まだ天橋立の地を踏んだこともなく、母(和泉式部)からの手紙も見ておりません。 N君:「和…
百人一首No.59 赤染衛門(あかぞめえもん):やすらはで寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな (あなたがおいでにならないことを始めから知っていたら)ためらわずに寝てしまっていただろうに、(今か今かと待つうちに)夜が更けて西に傾く月を見…
百人一首No.58 :大弐三位(だいにのさんみ):有馬山猪名(ゐな)の笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする 有馬山に近い猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がソヨソヨと音を立てるのですが、さあ、ソヨ、そのことですよ、お忘れになったのはあなたのほう、どうし…
百人一首No.57 紫式部:めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半(よは)の月かな 友達に久しぶりに会ってその人かどうかちゃんと見分けもつかない間に、雲間に隠れた夜更けの月のように、あの人は慌ただしく姿を消してしまったなあ。 N君:夜…
百人一首No.56 和泉式部:あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今ひとたびの逢ふこともがな (私は今はまだ生きているがしばらく後には)死んでしまうでしょう、その「この世の外(あの世)」への思い出として、(死ぬ前に)もう一度あなたにお逢いしたい。 N君:女…
百人一首No.55 大納言公任(きんとう):滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ 滝は枯れてその水音が聞こえなくなってから長い年月が経ってしまったけれども、その名声だけは流れ伝わって今でも聞こえてくるなあ。 N君:洛西の大覚寺に…
百人一首No.54 儀同三司(ぎどうさんし)母:忘れじの行く末までは難(かた)ければ 今日を限りの命ともがな 「君のことは忘れないよ」というあなたのお言葉が、ずっと先までは頼みにし難いので、そのお言葉を頂いた今日を最後として死んでいく私の命であって欲…