kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第530回 2022.8/30

N君:前々回から旧約聖書の金言を紹介しています。

(21) Better is a neighbor that is near than a brother far off.

強調のために Better が文頭に来ていますが 分かり易く並べ替えると、A neighbor that is near is better than a brother far off.「近きにある隣人は遥かなる兄弟に勝る」となります。遠くの親戚より近くの他人、という日本の諺もあります。

(22) The wicked flee when no man pursueth, but the righteous are bold as a lion.

wicked は過去分詞みたいな形をしていますが形容詞「邪悪な」です。定冠詞+形容詞 は「~な人」の意ですから、ここでは「邪悪な人」の意。同様に the righteous は「正義の人」の意になります。pursueth は pursue の三単現。「邪悪なる者は人追はざるに逃げ、正しき者は獅子の如く勇まし」。

(23) There is no new thing under the sun.

「天が下に新しきものなし」ですが、これはどういう意味でしょうか。我々が、新しい! 凄い! とか言っているものは、太陽系が始まった大昔からありました、みたいな意味ですかね。

(24) Whatsoever thy hand findeth to do, do it with thy might.

thy=your,  findeth は find の三単現。「汝の手がなすべく見い出せしものは全て汝の力もてそれをなせ」。自分のことは自分でやれ、みたいな意味でしょうか。

(25) Though thy sins are as scarlet, they shall be as white as snow.

thy=your です。「汝の罪は緋の如くなるも雪の如く白くならん」。これはどういう意味でしょうか。今君は確かに罪を犯したが贖罪によっていつかそれは雪(そそ)がれるだろう、くらいの意味でしょうか。

(26) All flesh is grass, and all the goodliness thereof is as the flower of the field : the grass withereth, the flower fadeth.

flesh「肉、人類」、all the goodliness thereof = all its goodliness、withereth は wither の三単現、fadeth は fade の三単現。「人は皆草なり、その全て美しきは野の花の如し、草は枯れ花は萎る」。

(27) Can the Ethiopian change his skin, or the leopard his spots ?

leopard の前に can, 後ろに change が省略されています。これは疑問文というよりも反語文ですね。「エチオペアの人その膚(はだ)を変え得るや、豹その斑(まだら)を変え得るや」。この金言は、一度身についた悪は容易には改められない、の意味だと思いますが、前半は現代では差別発言でしょう。

(28) Train up a child in the way that he should go, and when he is old he will not depart from it.

depart from は「~から出発する」というよりも「矩(のり)を越えて道を外れてしまう」くらいの意味でしょう。「子その進むべき道にて鍛えよ、さすれば老いたる時もその道を外すことあるまじ」。

(29) He that increaseth knowledge increaseth sorrow.

increaseth は increase の三単現。「知識を増す者は憂ひを増す」。これはどういう意味でしょうか。知識のみあっても人は幸せにはなれない、の意か。

(30) The race is not to the swift, nor the battle to the strong.

not = not always であって部分否定です。前置詞to は「~に似合って、~に合わせて」くらいの意味だと考えられます。競争は必ずしも足の速い人に合っているとは限らず、ケンカは必ずしも強い者に合っているとは限らない、という字面の意味でしょう。定冠詞+形容詞 は「~な人」の意味になります。「足速き者競ひに勝つにあらず、力強き者戦ひに勝つにあらず」。