2021-03-26から1日間の記事一覧
長恨歌 その48: 雲鬢半偏新睡覚 花冠不整下堂来 雲鬢(うんぴん)なかばかたよりて新たに眠りより覚め、花冠整えず堂を下りて来たる。 ふわりとした美しい髪はしどけなく垂れ、眠りから覚めた様子。花の冠も正さぬまま奥の御殿からおりて来る。 N君:「しどけ…
長恨歌 その47: 攬衣推枕起徘徊 珠箔銀屏邐迤開 衣をとり枕をおし立ちて徘徊し、珠箔銀屏(じゅはくぎんびょう)邐迤(りい)として開く。 太真は上着を手に取り枕を押しやって起き上がり行きつ戻りつする。やがて真珠のすだれや銀の屏風が次々に開いて太真の姿…
長恨歌 その46: 聞道漢家天子使 九華帳裏夢魂驚 聞くならく漢家の天子の使いなりと。九華の帳裏、夢魂おどろく。 漢の国からはるばる訪れた皇帝の使者だと聞いて、さまざまな花模様があしらわれた豪華なとばりの中で、太真はハッと夢から醒めた。 N君:いよ…
長恨歌 その45: 金闕西廂叩玉启 転教小玉報双成 金闕の西廂に玉启(ぎょっけい)をたたき、転じて小玉をして双成に報ぜしむ。 仙山の黄金で作られた宮殿の西の棟へ至って玉の門をたたき、まず小玉という名の侍女から双成という名の侍女に取り次いでもらった。…
長恨歌 その44: 中有一人字太真 雪膚花貌参差是 うちに一人ありあざなは太真、雪膚花貌(せっぷかぼう)参差(しんし)としてこれならん。 その仙女たちの中に字を太真という仙女がいて、その膚は雪のように白く、その顔は花のように美しく、これはどうやら楊貴…
長恨歌 その43: 楼閣玲瓏五雲起 其中綽約多仙子 楼閣玲瓏(れいろう)として五雲起こり、そのうち綽約(しゃくやく)として仙子多し。 仙山には高楼が玉のように美しく輝き五色の雲がたなびいて、そのなかにしなやかで美しい仙女が多数住んでいる。 N君:漢和辞…
長恨歌 その42: 忽聞海上有仙山 山在虚無縹緲間 たちまち聞く海上に仙山あり、山は虚無縹緲(きょむひょうびょう)の間にありと。 そのとき道士がふと耳に聞きつけたことには、、、、、、海上に仙山があり、その山は何もないただ広々とかすんだあたりにある。…