kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第55回 2021.5/12

長恨歌 その55: 釵留一股合一扇 釵擘黄金合分鈿

釵(かんざし)は一股をとどめ合は一扇、釵は黄金を裂き合は鈿を分かつ。

かんざしは片方の足を、小箱は蓋と身の一方を残しておきたいと思います。かんざしは黄金の足を裂き、小箱はその身と蓋を分けましょう。

N君:普通なら思い出の品を完品として皇帝へ託すところですが、その品をふたつに分割してふたりそれぞれが片方づつ持っていよう、というのですから情感がこもってますよね。詞の世界は美しいなあ。僕なら「イヤイヤ、身と蓋は分けないで。オークションに出した時に値が下がるから」とか言いそうです。

However, I would like to keep some parts of them in my hands ; one piece of the forked hairpin and the lid of the box.  I will tear the ornament into two pieces, and divide the box into the lid and the vessel.

S先生:構文として直すところはなくこれで良いと思います。第2文の will は別に未来を表しているわけではない、というところに意識を持って行って下さい。will が出てきたら反射的に未来と考える人がいるので、その殻をここで破っておきましょう。この will は意志、しかもかなり強い意志を表現しているのだ、ととらえましょう。太平洋戦争序盤に日本軍にたたかれた General MacArther が the Philippines から Australia に退却した時に "I shall return." と言いましたが、これは「戻って来るでしょう」などというなまやさしい意味ではなく「石にかじりついても戻って来るぞ!」という決意の言葉です。

I would like to keep one piece of the hairpines and either of the lid or the vessel of the pearl box.  The legs of the hairpin shall be torn into two and the box be divided into the lid and the vessel.

N君:最後のところ、the box のあとに shall が隠れているわけですね。