2021-07-12から1日間の記事一覧
帚木14:かたはしづつ見るに、(中将)「よくさまざまなるものどもこそ侍りけれ」とて、心あてに、(中将)「それか、かれか」など問ふ中に言ひ当つるもあり、もてはなれたる事をも思ひ寄せて、疑ふもをかしとおぼせど、こと少なにてとかく紛らはしつつ取り隠し…
帚木13:(中将の言葉続き)おのがじしうらめしき折々、待ち顔ならむ夕暮れなどのこそ見所はあらめ」と怨ずれば、やむごとなくせちに隠し給ふべきなどは、かやうにおほぞうなる御厨子などにうち置きちらし給ふべくもあらず、深く取り置き給ふべかめれば、二の…
帚木10,11,12,:近き御厨子(みづし)なる色々の紙なる文どもを引きいでて、中将わりなくゆかしがれば、(源氏)「さりぬべき少しは見せむ。かたはなるべきもこそ」と許し給はねば、(中将)「そのうちとけてかたはらいたしとおぼされむこそゆかしけれ。おしなべた…