2022-02-17から1日間の記事一覧
帚木239・240:(女房達)「いたうまめだちて、まだきにやむごとなきよすが、定まり給へるこそ、さうざうしかめれ。されど、さるべきくまにはよくこそ隠れあり給ふなれ」など言ふにも、おぼす事のみ心にかかり給へば、まづ胸つぶれて、かやうのついでにも、人…
帚木237・238:さすがにしのびて笑ひなどする気配、ことさらびたり。格子を上げたりけれど、守「心なし」と、むづかりて降ろしつれば、火灯したるすきかげ、障子の上よりもりたるに、やをら寄り給ひて「見ゆや」とおぼせど、ひまもなければ、しばし聞き給ふ…