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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第722回 2023.3/9

古文研究法108-2 大鏡より:後少将は年頃(としごろ)きはめたる道心者にておはしましけるを、生くべくもおぼえたまはざりければ、母上に申し給ひけるやう、「しばし法華経(ず)し奉つらむの本意(ほい)はべれば、必ず帰りまうで来(く)べし」とのたまひて、方便品(ほうべんぽん)を読み奉り給ひてぞ亡(う)せ給ひける。

後少将年来たいへんな仏道熱心な方であったが、とても助かりそうになかったので、母上に申し上げたことには、「もうしばらくこの世にあって法華経を読みたいというがありますので、きっとこの世に戻って参ります」とおっしゃって、法華経方便品を読みながら亡くなった。

N君:「としごろ」は大切な副詞で「ここ数年来」の意味。「本意」も大切な名詞で「宿願、最も大切な目的」のような意味です。「この歌の本意は、、、」という言い方がよくされているようです。

The younger general was a devout believer in Buddhism during his lifetime.  Aware of his own death coming soon, he said to his mother, "I shall be back to this world because I want to live for some more time and chant the Hokke sutra."  He died reciting the Houbenpon of the Hokke sutra.

S先生:第1文の時制について考えてみましょう。過去形で何も不都合はないように見えますが、、、、。今筆者が書いている時点から見て、後少将が死んだのは過去のこと。その過去よりも以前は、後少将はずっと熱心な仏道修行者だったわけです。このように考えると、ここは単純な過去時制ではなくて過去完了で書くべきではないか? という考え方も成り立ちますね。The younger general had been a devout believer in Buddhism during his lifetime.  のほうがよく感じが出ていると思います。第2文の I shall be back to this world 「きっと帰ってくる」の shall は強い意志を表していますね。第2次世界大戦の前半時点でフィリピンからオーストラリアへ退いたマッカーサー元帥が言った有名な言葉 ”I shall return.”  に使われた shall と同じ用法です。

The Lower General had been a pious Buddhist for long.  Realizing that he would not be saved from death, he said to his mother, "I will surely come back to this world again because I want to live here for some more time to recite the Lotus Sutra."  He passed away chanting the Hebeupon of the Lotus Sutra in a solemn voice.