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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第607回 2022.11/14

古文研究法51-2 枕草子(帝は)馬の命婦(みゃうぶ)をもさいなみて「めのと替へてむ、いとうしろめたし」と仰せらるれば、かしこまりて御前にも出ず。犬狩り出でて、滝口などして追ひつかはしつ。

帝は馬の命婦にも小言をおっしゃって「猫の世話係を変えよう、こんなことではとても心配だ」と発言されたので、馬の命婦は恐縮してしまい御前へも出られず引っ込んでいる。男どもは翁丸追い立てて、滝口の武士に命じて翁丸を追っ払ってしまった。

N君:前回からの続きです。馬の命婦というのは、五位の猫の世話を任された女房ですが、天皇の酔狂につきあって怒られたりしているのですから、まあ可哀そうですよね。「さいなむ」は「文句を言って責める」くらいの意。「うしろめたし」は現在では「良心の呵責を感じる」というような意味ですが、昔は少し違っていて「不安で」の意味です。「犬は」の「は」は主語を表しているのではなくて「~を」の意。「滝口」というのは、清涼殿周囲の溝の水がその東北で一段低くなっていて流れ落ちる箇所を滝口と呼んでいたのですが、ここに詰めて警護にあたる武士を単に「滝口」と呼ぶようになったらしいです。日本史の教科書にも「滝口の武士」が出ていました。

The Emperor also complained to Uma-no-Myoubu, who had been assigned to look after the cat, "I will appoint another appropriate lady-in-waiting.  I am anxious about such a careless mismanagement as this."  She felt too ashamed to serve in front of Him.  Men chased the dog and ordered Takiguchi's warriors to drive it away. 

S先生:よく書けていますが、第4文の主語 Men はいけません。このままだと「世間一般の男達」を指しますから不適切です。The men にして下さい。

The Emperor reproached Uma-no-Myobu, who was in charge of His cat, saying, "You are not fit to take care of her.  I will appoint another lady-in-waiting for you."  The lady in charge was so much ashamed that she could not present herself in front of the Emperor.  The guards rushed the dog away and ordered the warriors in Takiguchi to drive him out of sight.

N君:先生の作文を読むと「猫は雌、犬は雄」だったことが分かります。

S先生:そうだね。そのように設定しました。

N君:先生の第2文末に出てくる for you はどういうことですか?

S先生:この for は「~の代わりに」の意味で使いました。こういうところに眼が行くようになったのは進歩のあかしです。