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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第289回 2022.1/1

帚木37:(左馬頭の言葉続き)家の内に足らぬことなどはたなかめるままに、はぶかずまばゆきまでもてかしづける娘などの、おとしめがたくおひいづるもあまたあるべし。

なにしろお金がありますから、邸の内の調度や装飾に不足もなく、娘の教育にもおさおさ怠りなくお金をかけますからね。どうしたってそういう家には、けっこう立派な育ち上がりの娘がたくさんおりましょう。

N君:Generally speaking, each one belonging to this group is so wealthy that his villa is sufficiently decorated with gorgeous furniture and his daughter is carefully educated without the concern of expence.  No wonder daughters brought up in such fortunate circumstances would be apt to grow into wonderful ladies.

S先生:第1文の without the concern of expence は「金に糸目を付けずに」の意でしょうが、まず出費の意なら expences というふうに複数形にするのが普通です。また定冠詞ではなく any を使うほうが良いし、前置詞は of ではなくて about にしてみてはどうでしょうか。まとめると without any concern about expences です。第2文の be apt to は「人の生来の傾向」を表します。例としては He is apt to get angry.「怒りんぼうだ」があります。物についても、Iron is apt to rust.「さびやすい」のように、もともと持っている性質を表します。今回の場合は、娘の生来の話ではなくて生育環境の話ですから be apt to はふさわしくありません。be apt to を除外して代わりに likely くらいを使うと良いと思います。

They have such a lot of money that their residences are decorated beautifully and sets of their furniture are also luxurious.  They spend money freely to educate their daughters.  It is natural that their daughters (should) be brought up elegantly.

N君:今日は質問があります。芥川龍之介の著作を英訳した Rashomon and Seventeen Other Stories という本が Penguin Classics 社から出ていて、その中の「地獄変 Hell Screen」で絵師良秀が堀川卿に対して「お殿様、今日私は、お殿様が私に描くようお命じになった地獄の姿を帯びた屏風のことで、御前に上がっております」と述べるシーンがあります。"I came into your honored presensce this day, My Lord, regarding the screen bearing the images of hell which His Lordship ordered me to paint.  、、、” 赤で示したはじめの My は問題ないのですが、後の His はおかしいと思います。ここは My にすべきだと思います。

S先生:N君の言うとうりです。ここは My でなければなりません。こういうことはままあります。身内の恥をさらすようで恥ずかしい話ですが、たとえばちょっと前までやっていたセンター試験でも信じがたいミスが複数発生しました。それは英語に限らず他の教科でも同じです。いつも批判的な眼で見て、自分の頭で考えることが大切です。