kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第256回 2021.11/29

桐壺196:(源氏のつぶやき続き)おほいどのの君、いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、心にもつかず」おぼえ給ひて、をさなきほどの心ひとつにかかりて、いと苦しきまでぞおはしける。

藤壺様に比べると、左大臣家の姫君は、たしかに大切に育てられて美しい人ではあるが、やっぱりつまらぬ」などと感じられて、ただただ幼いなりに藤壺への思慕の念ばかりが募り、心も苦しいほどであった。

N君:Compared with her, I am not so interested in the Minister's daughter, although she is also a beautiful woman who has been cherished carefully."  Partly because of his adolescent aspiration, he was keen to meet Fujitsubo so that he should be in agony.

S先生:全体的によく書けていますがほんの少しだけ指摘させていただきます。第2文の keen to meet Fujitsubo でたしかに会いたいのでしょうが、これでは恋慕の情が薄い気がするので so deeply attached to Fujitsubo くらいにしてみてはどうでしょうか。また最後の should ですが、ここは源氏の常習的な気持ちを表現するために would とし、そうすると be動詞はそぐわないので、一般動詞を使って so that he would agonize himself. くらいが適当だと思います。

Compared with her, the Minister's daughter was far inferior though she was also beautiful, brought up with great care.  Young as he was, he longed for her more and more only to get depressed.

最後のところは文法的には「結果の不定詞」というくくりになるとは思うのですが、私はあえて「徒労の不定詞」と呼びたい。「源氏は藤壺に恋い焦がれれば焦がれるほど、ただ気がめいるばかりであった」という意です。

N君:「徒労の不定詞」とはまた印象的な呼び名ですね。また would と should の微妙な違いや、状態・動作などについて考えたことがあまりなかったので、「作文する時にはそこまでいろいろ考えるのだなあ」と思い知らされました。僕のレベルではまだまだそこまでいきませんが、今後の糧にしたいです。