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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第254回 2021.11/27

桐壺194:心の内にはただ藤壺の御ありさまをたぐひなしと思ひ聞こえて、(源氏)「さやうならむ人をこそめ。

しかも源氏は心の内にはただかの藤壺のことばかりを、世にたぐいなき素晴らしい方だと思い焦がれ、「自分も同じく妻にするなら、藤壺のような人をたいものだ。

N君:「見る」はここでは「男女が関係を結ぶ」の意なので「結婚して妻にする」くらいにとらえるのがよいと思います。「見め」の「め」は推量助動詞「む」の已然形「め」と思われます。「こそ+已然形」の係り結びなのでこうなっていますが、意味としては推量というよりは「1人称主語の意志」を表しているのでしょう。推量助動詞「む」は意味がたくさんあり過ぎて、推量という枠からはみ出してしまっていて、特に主語が何人称かによって意味も違ってくる、という現象が起きるそうです。京都書房「高校生のための古典文法」によると、1人称は意志:我行かむ「行こう」。2人称は適当・勧誘:汝行かむ「行くのがよい」。3人称は推量:彼行かむ「行くだろう」。

Besides, he secretly adored the Lady Fujitsubo who he thought was the most wonderful woman in the world.  A thought occurred to him as follows, "I would like to receive one like her as my wife by all means.  

S先生:第1文の Lady Fujitsubo にくっついている定冠詞ですが、これは除外するほうがよいと思います。藤壺さんは今はじめて話に出て来た人であって、あらかじめ話題にのぼっていたわけではないですからね。その次の関係代名詞節の中にある he thought ですがこれは上手に使えました。いわゆる挿入句というやつです。読んでいくとはじめは who が目的格なのかと感じるのですが、he thought の直後に be動詞が出現して一瞬ギョッとします。その後 (he thought) をカッコでくくって挿入句だと気づくわけです。文法問題でねらわれやすいところですね。

There was no one but Lady Fujitsubo in his mind.  He loved her so fervently as to think that if he should marry some lady, he would get married to Fujitsubo, who was sublimely beautiful.

N君:fervent「燃え盛るような」、sublime「崇高な」。so+形or副+as to do の構文は、so ~ that や ~ enough to do に比べて使い慣れていませんが今後使ってみたいです。marry は自動詞と他動詞があってややこしそうですね。

 S先生:大修館の辞書から marry の例文を挙げてみましょう。まずは自動詞から。Marry in haste and repent at leisure.「あわてて結婚、ゆっくり後悔」。ウーンはじめから身につまされますね。She married late.「晩婚だった」。次は他動詞の例。Mary married him. = Mary got married to him. 使役的な意味を内包する使い方が第251回に出てきましたがその例として、He married his daughter to Tom. というのがありますので気を付けておきましょう。